三流外資系サラリーマン大家です。
我が三流外資系企業は約2年前に大規模な組織変更がありました。
我が社は主に新製品と中古品販売及び修理修繕事業で運営されております。
創立以来2年前まで約50年近くに渡り
『本社ー支社ー支店ー営業所 』
それぞれの部門長のもと損益管理されていました。
(新製品、中古品、修理修繕事業トータルで利益が出ているかを把握する損益管理です)
それが2年前に親会社経理部門出身の社長が組織を事業毎にぶつ切りにしてしまいました。
『俺はスティーブ・ジョブズに憧れているから、革新的にこの会社を変えたい。』とのことです。(笑)
1:本社新製品事業部ー地区新製品事業部ー営業マン
2:本社中古品事業部ー地区中古品事業部ー営業マン
3:本社修理事業部ー地区修理事業部ー修理修繕部隊
新製品は新製品の事だけ考え、中古品は中古品だけ、修理は修理だけという考え方です。
当然3事業に責任を持ち取りまとめる権力者がいないのでお客様のクレームには3名の部長が行き部長が各々皆
『私の責任ではないのですよ』
といって帰ってくる状況です。
損益把握もそれぞれの事業単体で把握する以外になく、事業間でお互いに発生する費用、人件費についてどちらの負担にするか等の細かい取り決めもありませんでした。
なぜなら組織変更を主導した本社経理の方たちが何一つ販売会社の費目負担状況を把握していなかったのです。更にもっと悪い事には彼らは販売会社で実務を経験した事がなかったのです。
創立以来、組織変更迄数十年に渡りキッチリ管理していた損益把握も把握出来ずズブズブになったままで月日は流れました。
当然ズブズブでめちゃくちゃな組織と損益管理ですから会社業績は低迷し、ヘンチクリンな組織を導入したスティーブ・ジョブズかぶれの静○大出身の社長はじめ経営陣は導入後1年半で淘汰されていきました。
当然と言えば当然の帰結です。
社長、経営陣が代わった一方でヘンチクリンな事業部別組織はそのままであり、ズブズブな損益管理もそのままです。
人は変わったけど仕組みは残ったという状況です。
新社長は
『損益に報いてくれた人にはお金を出す』
という事で損益管理もズブズブな状態で人事評価と結びつけてしまいました。
『現在の損益管理では人事評価と結びつけられません。
そもそも明確に損益が把握出来ておりません。
我々本社の人間は事業の仕組み、積み上げを分かっておりません。
前の社長にやれと言われたからやっただけです。』
と正直に述べた本社管理職はいなかったようです。
損益計算で出て来た理屈が分からない数字により、人事評価され給与が決まるというにっちもさっちもいかない状況です。
我々のように残り少ないサラリーマン人生を過ごしているだけの人間には大して被害ありませんが、ガチでこの会社だけの人にとっては酷いものです。
我々も損益の成り立ちを聞かれる事があるので鬱陶しいです(笑)
さてつらつら書いて来ましたが組織運営上の大きな間違いをまとめてみますと
○歴史のある組織はメリットがあるからこそ、その組織になっている。
スティーブ・ジョブズのシンクディファレントを上っ面のお勉強で理解し革新的に組織を変更しようとしても無理である。
一方でその変革が組織内部で自ら望むものであれば話は別である
○経理部門であっても現場の費用の積み上がり方、相互負担の考え方を理解しなければまともな損益管理が出来ない。
東京一括で全て管理する事は難しく地方での経験が必要である。
○人の変更、すげ替えは簡単に出来るが組織として作られたモノはいかにヘンチクリンであっても破壊しなければ悪制度として残ってしまう。
結局その制度により多数の人に被害が生じるが、誰も制度を破壊しようとせず、自ら進んで制度に従おうとさえする。
○我が社の親会社出身の思い上がりは酷いものであり、自分を大したことのない人間と認識していない。自分以外皆、その得意分野においては師匠であるのに。
又、そのようなものしか社長に選ばれない、そんな人材しかいない、社長になってもすぐ交代させられる時点で会社として詰んでおります。
○組織作り等においても勉強と実践が大事
どちらか一方では取り返しのつかない大失敗を犯す可能性あり、植木事業、不動産事業しかり再度経営について学び直す必要あり。