三流外資系サラリーマン大家です。
本日は塩釜神社で見て参りました燈籠および燈籠の意匠を紹介いたします。
この本殿の左に写っております燈籠ですが
銅鉄合製燈籠というそうです。
燈籠に組み込まれている様々な意匠が精密で力強く迫力が半端じゃありません。
こちらは文治の燈籠です。
奥の細道で芭蕉が観賞し、感想を記しております。
"神前に古き宝燈あり。鉄のとびらの面に「文治三年泉三郎寄進」とあり。
五百年来の俤、今目の前にうかびて、そぞろ珍し。かれは勇義忠孝の士なり。佳名今に至りて、慕はずといふ事なし。
誠に、人よく道を勤め義を守るべし。"
『奥の細道原文より』
「泉三郎」とは、奥州・藤原三代目秀衡の三男忠衡のことであり、忠衡による燈籠の寄進をあらわしているようです。文治3年は1187年であり今から800年以上昔の話です。
芭蕉の時代から更に300年経過しております。
どちらの燈籠共に現在の利益優先主義の薄っぺらな意匠ではなく、製作者の技術と誇りの総てをかけた作品のように見受けられます。
製作に向かわせるには発注者奥州藤原家、伊達家の威厳もあるでしょうし、神仏に対する畏敬の念も含まれこのような素晴らしい作品となるのでしょう。
数百年時が経った現在でも美しい、素晴らしいと思えるのですから芸術の力というのは改めて偉大であると痛感しました。